日本の証券会社で米国株のBDC銘柄を直接買うことはウィブル証券1社を除いて出来なくなりました。
そんなBDC銘柄への投資ですが、実はETFと投資信託を利用する方法もあります。
BDC銘柄に集中投資するリスクは高いですから、複数の銘柄に分散投資したいニーズというのは高配当投資を実践したい方々を中心にあります。
ここではBDC銘柄に投資できるETFと投資信託について紹介します。
BDC銘柄に分散投資できるETF(BIZD)
BDC銘柄を分散投資できるETFが「VanEck BDC Income ETF」です。
ティッカーはBIZDになります。
ETFの組入銘柄と割合
投資先銘柄 | 組入割合 |
---|---|
ARCC:US エイリス・キャピタル | 19.84 |
FSK:US FS KKRキャピタル | 13.14 |
OBDC:US ブルー・アウル・キャピタル | 11.20 |
GBDC:US ゴルブ・キャピタル | 4.67 |
HTGC:US ハーキュリーズ・キャピタル | 4.61 |
BXSL:US ブラックストーン・セキュアド・レンディング | 4.55 |
MAIN:US メイン・ストリート・キャピタル | 4.36 |
TSLX:US シックスス・ストリート・スペシャルティ・レンディンク | 4.11 |
PSEC:US プロスペクト・キャピタル | 4.08 |
OCSL:US オークツリー・スペシャルティ・レンディング | 3.64 |
BIZDの投資先BDC銘柄と割合が上の表になります。
BDC銘柄で最大時価総額を誇るARCCが約20%を占めています。
また、直近の配当利回りは10%を超えています。
このようにBDC銘柄に分散投資できて、配当が魅力的なBIZDはどこで買えるのでしょうか?
BIZDはどこで買えるのか?
BDC銘柄に投資するETF(BIZD)は、残念ながら国内の証券会社では買えません。
そのため、BIZDを買いたい場合は、IB証券ことインタラクティブ・ブローカーズ証券など海外の証券口座を開設する必用があります。
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB)を12年間使ってみて感じた事
ネット証券で買えるBDC銘柄に投資する投資信託
BDC銘柄に投資する投資信託は2つある
先程紹介したBDC銘柄に投資するETF(BIZD)は国内の証券会社で買うことはできません。
その代わりの候補が投資信託になります。
BDC銘柄に投資している国内の投資信託は2つあり、それぞれネット証券で買うことができます。
それが以下の2つです。
それぞれ複数の証券会社で販売されていますが、両方とも下記ネット証券で買うことができます。
- 松井証券
- SBI証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
手数料は高めだが安くする方法がある
2つの投資信託ともに年間手数料は2.035%になっています。
よくあるアクティブファンドの平均といったところでしょうか。
インデックスファンドのように0.1%といった超低コストな投資信託に慣れていると法外な手数料に感じてしまいますね。
ただ、この手数料を安くする方法があります。
それは松井証券の投信毎月現金還元サービスの利用です。
これを利用すると、「新・ミューズニッチ米国BDCファンド」なら年間で0.45%分が現金還元されるので、実質手数料が1.585%まで安くなります。
「米国ハイ・インカムBDCファンド」の方も年間で0.4%分が還元されるので、実質手数料は1.635%になります。
松井証券は、提携クレジットカード「MATSUI SECURITIES CARD」を利用するとクレカ積立でポイント還元もあるので、この2つの投資信託を買っていくなら松井証券を利用した方がコストを抑えられます。
楽天証券やSBI証券も投資信託の残高に応じてポイント付与するサービスがありますが、SBI証券の場合、今回の2つの投資信託はポイント付与対象外です。
楽天証券は、そもそもポイント付与が100万円あたり100ポイントとかなのでお話になりません。
auカブコム証券は、月間平均保有残高に応じてポイント還元がありますが、100万円未満だとわずか0.05%で100万円以上でも0.12%と松井証券と比べると4分の1程度です。
BDC銘柄の組入比率は異なる
新・ミューズニッチ米国BDCファンドと米国ハイ・インカムBDCファンドの組入比率が高い上位10銘柄は結構違いがありました。
新・ミューズニッチ米国BDCファンドの上位10銘柄を基準に米国ハイ・インカムBDCファンドの組入比率を比較したのですが、そもそも上位10銘柄に入っていない銘柄が4つもありました。
投資信託名 | 新・ミューズニッチ米国BDCファンド (2023年5月時点) | 米国ハイ・インカムBDCファンド (2023年7月時点) |
ARES CAPITAL CORP-BDC | 13.7% | 8.9% |
OWL ROCK CAPITAL CORP-BDC | 9.8% | 上位銘柄に記載なし |
FS KKR CAPITAL CORP-BDC | 8.3% | 7.7% |
BLACKSTONE SECURED LENDING F-BDC | 8.1% | 8.6% |
GOLUB CAPITAL BDC INC-BDC | 6.7% | 上位銘柄に記載なし |
MAIN STREET CAPITALCORP -BDC | 6.4% | 7.5% |
SIXTH STREET SPECIALTY LENDI -BDC | 4.7% | 8.6% |
HERCULES CAPITAL INC-BDC | 4.4% | 7.9% |
GOLDMAN SACHS BDC INC -BDC | 4.2% | 上位銘柄に記載なし |
NEW MOUNTAIN FINANCE CORP -BDC | 4.1% | 上位銘柄に記載なし |
BDCの中で最⼤の時価総額を誇るエリアスキャピタ(ティッカー:ARCC)に関しては2つの投資信託とも一番組入比率は高いのですが、それでも新・ミューズニッチ米国BDCファンドが約14%の比率なのに対して、米国ハイ・インカムBDCファンドは約9%と5%もの違いがあります。
個別銘柄投資か投資信託か?
BDC銘柄の投資に関してまとめると、個別銘柄への投資家か投資信託を利用するかの2択となります。
BDCの個別銘柄に関しては現状日本国内の証券だとウィブル証券しか新規に買うことは出来ない状態です。
恐らくウィブル証券についても、今後どこかのタイミングでBDC銘柄の取引は停止されると思われるので、個別に買いたい人は今のうちに買って保有するのが賢明です。
私のように過去にPayPay証券などでBDC銘柄を買っていた人は、今でも高配当を受け取ることが出来ています。
国内でBDC銘柄が買えるのはWebull証券だけ
ウィブル証券を使わないでBDC銘柄に投資するとなると、投資信託を利用することになります。
BDC銘柄に投資している投資信託は2つあります。
投資信託は保有手数料の信託報酬が年間2%と高いのがネックです。
ここに関しては松井証券で買って保有することで年間0.4%から0.45%の現金還元があるので、投資信託でBDC銘柄に投資したい場合は実質松井証券を利用するのが必須と言える状況です。