ロボアドバイザーで一番人気なのがウェルスナビです。
私自身2017年4月からWealthNavi(ウェルスナビ)を利用していまして、毎月2万円を積立投資しながら3年以上運用しています。
ウェルスナビは、他のロボアドバイザーに比べて何が優れていて、何が劣っているのか、いち口コミと情報として実際に利用してみた個人的な評価と専門家による評判をこのブログでお届けしていきます。
実際に資産運用した実績レビュー
ウェルスナビは長期投資を目的としたサービスなので数ヶ月程度の実績でどうこういえるものではありませんが、参考までに私のウェルスナビでの資産運用実績を公開してレビューしていきます。
運用ポートフォリオは定番のETF
ウェルスナビはアメリカのニューヨーク証券取引所に上場しているETFが投資対象となっています。
アメリカの証券取引所には、何千ものETFが上場していて取引も東京証券取引所など日本とは比べ物にならないほど活発です。
また、会社間の競争も激しくETFの保有コストもとても低くなっています。
ウェルスナビが投資するETFは株式から債券、金、不動産REITまで幅広く投資され、株式は先進国から新興国株も含めて行われます。
実際に投資するETF銘柄は、VTIやVWOなど資産残高が巨大な定番で有名なETFとなっていました。
運用実績は利回り約10%
ウェルスナビでの資産運用実績は、スマホアプリやウェルスナビのWebサイト上で下図のように見ることができます。
肝心の資産運用実績ですが、約10%の利回りとなっています。
ウェルスナビでは海外のETFに投資するため、為替の影響を受けます。
そのため、ここ最近の円高傾向によってドルベースでの評価額の方が高い結果となっています。
分配金や配当について
ウェルスナビはETFを購入しているので、日本の投資信託同様に分配金があります。
購入しているETFで分配金が発生すると、ウェルスナビに登録しているEメールアドレス宛にメールで連絡があります。
なお、分配金は再投資されるので複利効果授受することができます。
2020年前半は株価暴落で-15%の含み損を抱える
2020年2月から3月にかけて世界の主要株価は暴落。
これによって、今まで含み益を抱えて運用してきたウェルスナビも、含み損を抱えた状態へと変わりました。
下記は、2020年4月4日時点における私のウェルスナビ運用実績です。
運用実績はマイナス15%の損を抱えている状態になっています。
なお、途中一度THEOと比較するために全部売却しているためグラフ上一度0まで落ちています。
次にポートフォリオを見てみましょう。
ポートフォリオのメインとなっている株式が全体のマイナス要因であることがよく分かりますね。
債権や金のETFはプラスとなっています。
その後、2021年1月4日時点におけるウェルスナビの運用実績はプラス16%の含み益が出ている状態にまで回復しています。
積立投資の継続と相場環境の好転のおかげだと思います。
手数料について
ロボアドバイザーを利用する上で気になるのが手数料です。
ウェルスナビの手数料はどうなっているかというと、資産運用している額に対して年率で1%となっています。
これは、ロボアドバイザーとしては標準的な手数料体系です。
1%の手数料は、例えば10万円投資している場合だと、1年間で1000円の手数料が徴収されることを意味します。
その手数料は1年に1回徴収されるわけではなく月に1回、毎月1日に徴収されます。
手数料が年率1%の計算と合わないケース
実際にウェルスナビを利用してみると、毎月徴収される手数料の額が運用額に対して年率1%の計算とは合致しないケースがありました。
そこで、ウェルスナビの手数料計算方法について、サイトのサポートページで確認してみると、初回入金日から1週間については手数料が発生しないと書かれていました。
手数料は、ETF終値、為替レートをもとに計算された日々の時価評価額の年率1%相当を、毎日1日分の手数料として計算します。(税別)
【1日分の手数料の計算式】:
計算日の時価評価額×1%(手数料率)÷365×1.08(消費税) 上記の計算式で1日分の手数料を計算し、1ヶ月分を合計します。
合計した手数料の1円未満を切り捨てた金額が、翌月お支払いいただく手数料となります。
※初回入金日から7日間は手数料の計算期間の対象としておりません。
※入金合計額が最低投資額を上回り、運用が開始されるまでは、手数料の計算期間の対象としておりません。
引用元:https://support.wealthnavi.com/hc/ja/categories/202682938
そのため、私の場合は運用を開始した4月分の手数料が5月分より安くなっていたのです。
ウェルスナビのデメリットとは
ウェルスナビは、他のロボアドバイザーに比べて優れている点が多いのですが、実際に利用してみてデメリットだと思った点もあります。
最初の入金したタイミングで一括投資されてしまう
それは、ウェルスナビの口座に入れた資金で一括投資されてしまう点です。
ウェルスナビは、口座開設後に投資資金を入れて、ロボアドバイザーの質問に答えて運用プランが決まると、その翌日にETFの買い付けが始まって資産運用が開始されます。
私がウェルスナビを利用し始めた2017年の4月時点では、運用を始めるのに最低50万円が必要でした。※現在は10万円から始められます。
そのため、最初に50万円を入金したのですが、その50万円で各種ETFの買い付けが一括で行われてしまいました。
私としては、50万円を元手に毎月少しずつ投資していくことで、ETFの購入価格を分散することで高値づかみしない積立投資の特徴を活かしたかったのですが、それが出来ませんでした。
今はウェルスナビで投資を始めるのに最低10万円から出来るので、このデメリットは殆ど影響ありません。
最低入金額が他のロボアドに比べて高い
ウェルスナビは、最初の入金時に最低10万円が必要で、月々の積立金額も最低1万円からとなっています。
サービス開始当初に比べれば、引き下げされましたが、これでも他のロボアドに比べると高めで始めるのにハードルが高いと感じる方もいることでしょう。
そんな方は、ネオモバことSBIネオモバイル証券を利用するのが良いですよ。
ネオモバに口座を開設して、WealthNavi for ネオモバを利用すると1万円からウェルスナビでの運用が可能です。
ウェルスナビを利用するメリットとは
ウェルスナビが楽ラップなど他のロボアドバイザーに比べて優れているところはどこでしょうか?
個人的にウェルスナビの優れていると思う点を挙げてみると以下の点かと思います。
- 積立投資が可能
- 一月あたりの積立日を複数設定できる
- 特定口座に対応している
- ETFの分配金が再投資される
- 税金の最適化
- 長期割で手数料が1%から0.9%まで安くできる
積立投資が可能
ロボアドバイザーは短期的な利益を追い求めるものではなく、長期間での資産運用を前提とした仕組みとなっています。
そして長期投資を行っていく上で必須とも言えるのがドルコスト平均法を用いた積立投資です。
積立投資は、毎月決まった額を投資していくというスタイルです。
株式相場が上がっていようが、下がっていようが関係なく毎月決まった額をコツコツと投資することで、長期的に資産運用が効率化されることが分かっています。
年金運用なんかはまさに半場強制的に積立投資になっているわけです。
しかし、積立投資を人手で行おうとすると忘れてしまったり、相場が下がっていて絶好の買い場の時なんかは更に投資して損を増やしたくないという心理が働いて投資が出来ません。
それが自動化されていると、忘れることもありませんし、相場状況に関係なく投資することが出来るので、今回このブログで紹介した運用実績のように忘れたころに資産状況を見てみると思った以上にお金が増えているということを経験出来るはずです。
積立投資の設定方法
ウェルスナビで積立投資を行う方法ですが、ログイン後の「積立」というメニューから設定が出来ます。
毎月の積立額は最低1万円以上からとなっていて、私の場合は毎月2万円を銀行から自動で引き落としされる形となっています。
尚、毎月の積立額以外に年2回のボーナスに対応して追加の積立も可能になっています。
また、WealthNaviは、他に先駆けて一月あたりの積立回数を2回、3回と複数日に設定できるように機能追加が行われています。
尚、途中で積立投資を中止したくなった場合は、同じメニューから「積立を解約する」を選択することで積立投資を中止することが出来るようになっています。
特定口座に対応している
特定口座に対応していないロボアドバイザーを利用すると、確定申告を自分で行う必要があるのでとても面倒です。
通常の証券口座を利用する場合は、どこの証券会社を利用しようが特定口座にほぼ対応していますが、楽天証券の楽ラップや、マネックス証券のマネラップなど一部のロボアドバイザーはまだ特定口座に対応していませんが、ウェルスナビは特定口座に対応しています。
確定申告の面倒な手続きを無くすためにも、特定口座に対応しているロボアドバイザーを利用するようにしましょう。
ETFの分配金が再投資されて複利効果を得られる
長期投資では、投資している株式やETFから受け取る分配金を再投資することで、複利効果を得られ、資産を効率的に増やすことが出来ます。
投資信託の世界では分配金の再投資は仕組みとしてありますが、ETFの分配金を再投資する仕組みは日本では少ないのが現状です。
ウェルスナビはETFを用いた資産運用を行いますが、投資しているETFから分配金が出た場合は、自動で再投資に回されます。
また、自動で再投資する際には構築したポートフォリオのリバランス効果が得られるように、自動的に最適な各銘柄の購入数量をWealthNaviが算出します。
ウェルスナビ独自の税金最適化
税金の最適化は、どこのロボアドバイザーも行っていないウェルスナビ独自の機能になります。
長期的な資産運用を行っていると、分配金の受取やポートフォリオのリバランスによって生じる税金の負担が一定額を超えた場合に、ポートフォリオ組入銘柄が抱える含み損を確定させることで、税金の徴収を翌年以降に繰り延べます。

そうすることで本来税金として徴収される予定だった金額を投資にまわすことができるので投資効率が高まることが期待できます。
長期投資するほど手数料が安くなる長期割

ウェルスナビは、長期間投資するほど手数料が安くなる長期割という制度を取り入れています。
長期割とは、50万円以上をウェルスナビで運用している状態で、半年以上出金しなければ適用される割引サービスです。
長期割が適用されると、ウェルスナビのアプリで、以下のように割引率が表示されるようになっています。

ウェルスナビの年間手数料は資産運用額に対して1%ですが、長期割を最大限活用すると、これを0.9%まで下げることが出来ます。
対して、競合サービスのTHEOは、2019年4月から手数料を大幅に引き下げました。
運用実績は、ウェルスナビもTEHOも殆ど変わらないので手数料が安いTHEOの方が今後はお勧めです。
ちなみに、ウェルスナビの長期割ですが、ウェルスナビと提携している下記サービスでは対象外となるので注意してください。
- WealthNavi for ANA
- WealthNavi for ソニー銀行
長期割の適用を受けたいのであれば、ウェルスナビの公式サイトから口座開設するようにしましょう。
ウェルスナビを3年以上利用してきた個人的な評価
ウェルスナビで積立投資しながら3年以上利用してきました。
1年以上運用してきた実績としては、ドルベースで約10%の含み益を得られましたが、これはまさに、毎月積み立て投資していることによって良好な相場環境を授受できている事が大きく影響している考えます。
相場環境が悪化すればウェルスナビだろうがテオだろうがロボアドバイザーは殆ど資産運用の成績が悪くなり、Twitter上などでの口コミ情報も「損した」「ダメだ」といった悪い口コミが増えます。
逆に相場環境が良くて、運用成績が良い時の口コミ情報は、「儲かる」といった口コミが多くなります。
かれこれ15年以上資産運用を行っていますが、相場環境が悪い時でもコツコツ積み立てて資産運用することが最終的に大きな利益を生み出しますので、自分の意志が重要になります。
クチコミ情報や他人の評判も気になると思いますが、ウェルスナビなどのロボアドバイザーはおまかせ投資になるので、若干手数料は高いですが、相場状況を気にして相場環境が悪い時に焦って売ってしまうということを防いでくれるのは投資初心者にとってメリットだと思います。
ウェルスナビは、iPhoneやAndroidのアプリが用意されているので、場所問わず気軽に運用状況を確認できる点も特に気に入っていますが、資産運用結果だけを見て一喜一憂しないように注意しましょう。
ウェルスナビに関しては、様々な評判や口コミがネット上にあると思いますが、私自身は、忙しいビジネスマンや、投資の事は信用できるところにお任せしたいという人にとってウェルスナビは間違いが少ない初心者向けの無難な選択だと考えています。
2020年前半のような株価暴落局面では、焦って売却してしまう人もいると思います。
私も投資を始めたばかりの頃はそうでした。
しかし、そこから学んで株価暴落局面でも売らずに、後々の景気回復局面までコツコツを積立投資できれば大きな利益となることを学びました。
まさに今は、投資家の忍耐力が試されていると思います。
なお、個別株投資をしている場合においては、企業の倒産や上場廃止もあるため損切りも大切です。
そういった情報を日々確認する必要がなく、お任せできるのも投資初心者には最適だと考えます。
専門家による評判は悪い
ウェルスナビのようなロボアドバイザーについて、専門家はどうみているのだろうか?
ロボアドバイザーの楽ラップを運営する楽天証券に所属する経済評論家で、常日頃証券会社のロボアドバイザーやラップ口座に批判的な山崎元さんは、ロボアドバイザーをボロアドバイザーと断罪しています。
筆者自身の勤務先にもロボ・アドを使う商品があるし、ロボ・アドをビジネスに使おうとしている友人・知人が筆者は少なくない。
だが、考えてみた結果、ロボ・アドは、サービスとしての方向性を完全に間違えており、顧客・投資家は、これを言わば「ボロ・アドバイザー」なのだと考えて、決して利用しない方がいい商品・サービスだという結論に達した。
これは、ウェルスナビやLINEスマート投資など殆どの一任型ロボアドバイザーの手数料が年間1%と高いからです。
1%は「ひどく高過ぎ」ですね。RT @VoyageKen: 確か、ロボアドバイザーのコストは1%ちょいだと記憶してます。 ただ、投資信託に慣れている人だと自分で選んだ方が安いのも事実。…水瀬ケンイチ@minasek 山崎元氏… https://t.co/pyBfA6g6Dz
— Hajime Yamazaki /山崎元 (@yamagen_jp) September 28, 2019
ウェルスナビは長期割の適用によって手数料が最大10%割安になりますが、10%安くなるまでには時間が非常にかかります。
一任型のロボアドバイザーで、唯一低コストなのは、年間の手数料が0.7%まで比較的簡単に引き下げることができる THEO
しかありません。